撥水と防水の違いとは?【よくある質問より】
2018/06/26
テントやアウトドアウェアのクリーニングや撥水加工を行っている当研究所ですが、
お客様からよく質問を受ける事がこの撥水と防水の違いについてです。
テントは防水加工されてるけど、撥水力が弱まったらどうなる?とか、
市販の防水スプレーを吹き付けると、撥水効果もあるのでしょうなど。。。
そこで、今回は撥水と防水の違いについてご説明させて頂きます。
【撥水】
撥水とは生地の表面を水が転がり落ちる状態の事で、水を弾くと表現します。
通常は生地の表面や構成する糸に撥水コーティングを施す事で、撥水加工を行います。
コロコロと水が転がり落ちる事で、雨などにあっても水が内部に染み込まず、
結果的に生地が濡れにくくなります。
【防水】
一方、防水とは生地の裏側まで水を通さない事を言います。レインコートや防水ケースなど
内部に水を通さない仕様ですので、水を弾くとは限りません。弾かずとも、水を生地表面で
滑り落とし、内部まで浸透しないようにします。
一見、似たような機能ですが、
撥水は水を弾く事、防水は水を通さない事で、機能的には異なります。
撥水性は高くても防水性のない生地でできた袋をバケツの水の中に入れれば、
内部まで入ってきますよ。
また、防水性の高い素材でも水を弾かない、つまり水玉がコロコロと落ちない事も当然あります。
では、市販の防水スプレーはなぜ水を弾くかというと、撥水成分も入っているからですね。
防水加工というのは、耐水性が必要なので簡易的に防水加工を施すためには、撥水力をつけ、
水を染み込まさないようにしているようですね。
ちなみに、テントやタープなどの幕体ですが、一般的に表面は撥水加工が施され、
裏面は防水コーティングが施されていることが多いです。
防水コーティングは主に、ポリウレタンコーティングを施工しますが、このコーティングが
経年劣化により、ベタツキや臭いの原因になっており、この状態になると防水性能は
落ちてきていますので、製品の寿命と考えた方がよさそうです。